遠目で見ればウニも球体
仕事柄、食品を開ける前に必ず表示の写真を撮るよう習慣付けています。ただ写真を撮るだけです。撮った写真はそのままEvernoteにアップロードされ、そのうち勝手にOCRがかかるので、あとからキーワードで検索することができます。とはいうものの、写真は撮るだけ。あとから検索することも年に数回あるかないかで、表示の内容をじっくり見て間違いを探すということは、業務でない限りまずいたしません。単に収集しているだけです。
しかし写真を撮った時にまれに「違和感」を感じることがあり、その時は表示を読んでいます。この違和感はおそらく「勘」ではなく、いままで数万種類の表示を見てきた経験からパターンに合致しないものを「違和感」という感覚で検出しているのでしょう。ということはほとんど全ての表示は決まったパターンに合致するよう作られているとも言えます。原材料や添加物の表示名も「これって滅多に使われない語句だな」と感じ取ってるだけで、細かくいちいち調べているわけではありません。まさに職人の世界です。いまはそのノウハウをお客様や部下に上手く伝えられないけれども、これこそ、AIだと学習しやすいのではなかろうか、と最近本気で考えています。何故私が違和感を感じたのかを分析していけば、表示チェックAIもそのうち出来るのではなかろうかと画策しています。
おそらくこれと似たような経験は皆様の方がされているのではないでしょうか。私より遥かに多い量の表示情報に触れられているはずですから。「なんとなく」「匂いがした」「文字の色が違って見えた」など上手く説明できないけれども品質管理者としての直感、があるのではないでしょうか。実際にラベル全体をひとつの画像として捉えていたり、あるいは一列目の文字を縦読みした瞬間に違いを見つけられる方が何人もいらっしゃいました。この直感はけして非科学的なことではなくきちんとしたルールがあるはずです。そのルールを解析してデジタル化して一般化して、次世代に継承できれば、何年もかかっていた品質管理業務も、短い期間で習得できるようになると考えています。
先日ある記事に「遠目で見ればウニも球体」という言い回しを見つけて妙に納得しました。「棘の長さも方向も太さもバラバラのウニであんなにギザギザなのに、遠くから見ると見事な球体をしている」とは何とも粋ではないですか。これは、近くで棘々ひとつひとつ見ていても異常体のウニを見落とす可能性がある。しかし遠目で球体に見えないウニだと異常とすぐわかる。ということでしょう。食品表示チェックもまさに同じことで、個別の表示チェックを積み重ねて全体を判断するよりも、全体を見てから個別に入った方がチェックしやすいのではないか、と自分の経験からそう感じています。
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