規格書効率化AI・RPA業務改善

食品期限表示ガイドラインの見直し

先週、期限表示ガイドライン見直しの説明会があったので、消費者庁に行ってきました。現在「食品期限表示の設定のためのガイドラインの見直し検討会」が行われており、その討議に必要なアンケートとヒアリングの実施に関するものです。

現在のガイドラインは平成17年(2005年)に作成されたもので、現代の新しい考え方や、流通システムに関する事項を取り入れながら新しい有効的なガイドラインにするのが目的です。観点は二つあって、食品ロスの削減と科学的知見に基づく期限の設定です。食品ロスに関しては、フードバンクやこども食堂、カーボンニュートラルと言ったことも含め対応することが望まれます。賞味期限を「科学的に検討」するというのはこれまでも言われていたことであるものの、国策で食品や農林畜水産物を輸出することが推進されていることもあり、国際的な科学的整合性を保つことが望まれています。

一方、平成17年にはそれほど普及していなかった「フローズンチルド商品」など新規な流通形態の食品は、期限表示を誰が、どうやって決めるのかが課題になっています。それと食品期限表示を設定するヒトの多様化です。昔は作った人が責任を持って賞味期限を決めていたけれども、いまでは食品をゼロから製造する人はほぼおらず、ほとんどのところが組み立て加工(アセンブリ加工)をしています。アセンブリ加工が主流であるということは、必ずしも高度な生産設備を持った者でなくても、例えば流通のインストアでも製造に参入できるので、期限表示設定は他人事ではないのです。20年前とは業界も業態もかなり変わっているので、ガイドラインの見直しも当然のことでしょう。近々消費者庁によるアンケートと対面ヒアリングがあるはずですから皆様もご協力のほどよろしくお願いいたします。

平成17年のガイドラインでは、理化学試験、微生物試験、官能試験などを行い科学的に指標を決めること、とあります。確かに食品製造メーカーであれば試験設備や試験員も揃っているでしょうが、流通、卸、などにそれを要求するのは困難です。外部委託化や似たような食品を真似しろ、など言われるのでしょうが、それだと20年前とあまり変わりばえがしません。ここ数年先で画期的に変わるであろう手法は生成AIの利用です。食品の種類、配合、季節、流通範囲、保存温度などを入力すると、莫大な教師データから人工知能が最適な賞味期限を提案してくれる。というのがほぼ現実のことになりつつあります。そうすると極めて正確な賞味期限の設定が可能になるので、フードバンクへの提供や、或いはダイナミック賞味期限(季節やロットによって動的に変わる賞味期限)の導入も可能になります。既に医療分野では生成AI実用化に向けた動きがあるそうですから、コストが折り合えば、おそらく極近い将来、食品期限表示ガイドラインは人工知能が行うことになるのではないでしょうか。

このコラムは、2024年7月2日にメルマガ会員様向けに掲載したものを再掲しています。法律やシステム、AI技術の状況など、当時の最新状況に基づいて執筆しているため、現在の状況とは一部異なる場合(あるいは、AIがさらに進化して過去の苦言が過去のものになっている等)がございます。当時の熱量を共にお楽しみください。(2026年10月1日)

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