食品表示法の目的
2024年8月1日から31日は「食品衛生月間」になっています。関連省庁や地方公共団体が中心となって、主に食中毒予防のため「国民への啓発、情報提供」「食品関連事業者へのコンプライアンスの徹底」が行われます。
そのためか先月くらいから「保健所から食品表示について改善言われている、本当に対応しないといけないのか?」というご相談が増えています。事業者にしてみれば、これまで何も言われなかったのに突然言われた、と感じられるようです。保健所の担当官にしてみれば、衛生調査で入って表示を見たら、表示基準に適合しないと思われるケースがあったので注意した、というところでしょう。じつは食品表示と食品衛生は密接に関連しており、両者を切り離すことはできないので、表示指導から衛生へ、衛生指導から表示へ、と流れることは至極当然なことです。
ところが食品関連事業者と保健所との表示指導のやり取りが我々のところに来た時には相当こじれています。保健所も強硬姿勢を崩さず、事業者も保健所の指導に一貫性がないと愚痴を言われるばかりです。指導する者とされる者の立場の違い、食品表示に関する認識の差異、お互いリスペクト出来ない不信用のため、コミュニケーション取れない状況になっています。こんな時は「悩んだり、迷ったりしたときは、原則に返れ」です。
つまり食品表示で悩んだ時は、食品表示の原点に返ることです。それは食品表示基準やQAや過去の指導ではなく、大元の「食品表示法」に他なりません。2013年に公布され10年以上になるのに、滅多に読むことがない「食品表示法」。今回このコラムを書くにあたって改めて読み直してみましたら、非常にわかりやすく書いてありましたので、私の言葉でまとめてみます。
食品表示は、
・食品を摂取する際の安全性の確保
・自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保
に必要である。
そのため、
・販売する食品について、基準の策定やその他の必要な事項を定める
・表示の適正を確保し、一般消費者の利益の増進を図る
ことをしなければならない。
目的は、
・国民の健康の保護及び増進
・食品の生産及び流通の円滑化
・消費者の需要に即した食品の生産の振興
とする。
つまり、「食品表示は安全性のため、一般消費者の利益のため、国民の健康のため」と明記してあります。「表示は食品衛生のため」というのもここでわかります。この大原則を押さえておけば、食品関連事業者もこの表示が適切かどうか、保健所もその指導が法の主旨に基づいているのか、というのが自ずとわかるはずです。食品表示基準は2015年に施行され、2020年完全施行(2022年原原表示、2023年遺伝子組換表示)され大きな改正もあらかた終わり、みなさん原点を見返すことが少なくなってる気がします。8月の「食品衛生月間」は良い機会ですので「食品表示法」を読み返してみてはいかがでしょうか。
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