AI・RPA業務改善食品表示・アレルゲン

現実味を帯びてきたAIによる食品表示の作成

生成AIの代表であるchatGPTがリリースされたのは2022年の暮れですから、まだ2年半しか経っていません。当時は「凄いのが出た!」と感動し毎日chatGPTと遊んでいました。遊びでしか使っていなかったのは、妄想(ハルシネーション)が著しく、仕事で使うには改めて人間がチェックしないとならず二度手間になり、実用にはほど遠かったからです。ましてや、食品表示チェックや作成など、高度な判断を要するものは全く使い物になりませんでした。そのため「食品表示に人工知能は使えない」とすっかり諦め、以後ろくに検証もしていませんでした。

半年くらい前の2024年末にディスカッションした時も「人工知能で食品表示法律判断をさせようと研究しているが全くできない」と言われ、その時大流行していた「RAG(検索拡張生成)を使えば、表示作成も可能かもしれませんよ」と述べたのを覚えています。それが今年1月のメルマガに書いた年頭所感になります。メルマガで「今後は生成AIにどんなRAGデータを教育するかが成功の鍵となる」と書いてみたものの、実際に検証してみると、RAGデータに容量の上限があり、そうけんくんが持っている添加物の使用基準さえも全部取り込めないなど、実務に落とし込むにはまだまだで、半分挫けておりました。

そうこうしてるうちに数ヶ月前、MCP(Model Context Protocol)という概念が出てきてにわかに注目されています。MCPとはごく簡単に言えば、参考にするインプットデータを外部で管理し、長い文章でもAIが利用できるようにしたものです。さらにAIが様々なデータと簡単に連携出来るよう共通のルールも決められました。これであれば、膨大な食品表示関連データを利用するのも容易になるし、様々なアプリとの連携も出来るので、例えば、レイアウト作成ツールをAIが動かして、法律に合致した食品表示結果を最も視認性の高いデザインで提供する、ということも可能になるかもしれません。RAGやMCPの詳しい説明は他所に任せるとして、みなさんもキーワードとしてこの二つを覚えておかれて損はないでしょう。

一年前の6月、食品に関するキーワードを整理をした時に、資料を「私が」読み込んで重要と思われるものを抽出、それをAIに調べさせ、出て来た結果が正しいか「私が」調べ直し、所要時間2−3日かかりました。それまで2−3ヶ月かかっていた調査が2−3日で終わり、凄い時代になったもんだと感動してました。ところが今年6月は、資料をRAGに入れ「キーワードを重要順に抽出しその解説をしてください」と命令しただけで、結果と引用元リンクが返ってきました。調査に要した時間は僅か2分です。つまり2年半前は全く使い物にならなかった。しかし1年前は可能性が出て来た。さらに2ヶ月前は現実的になった。ということになりましょうか。怖いのはこの間隔が段々短くなって来てることです。数ヶ月ぼーっとしていたら完全に置いて行かれるという、まさに本物の日進月歩を見せつけられているのですから。「AIは使い物にならない」と決めつけた次の刹那、使えるようになってるかもしれない怖ろしさを痛感しています。

このコラムは、2025年6月3日にメルマガ会員様向けに掲載したものを再掲しています。法律やシステム、AI技術の状況など、当時の最新状況に基づいて執筆しているため、現在の状況とは一部異なる場合(あるいは、AIがさらに進化して過去の苦言が過去のものになっている等)がございます。当時の熱量を共にお楽しみください。(2026年10月1日)

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