添加と含有
先月のコラムで、複合原材料中の添加物の重量計算をどうするか、の話に触れなかったら多くの方から「あの話はどうなった?」、「話題に触れてないということは複合原材料から添加物を抜けと消費者庁はまだ言ってるんですね」、など言われました。私があまりに強く言ってたものですから、お客様の方が逆に私のことを気にかけてくださっています。
この件についてそうけんくんのお客様から、消費者庁が方針転換をし、複合原材料中に添加物重量を含むと言っていると情報提供がありました。これで流れは、「複合原材料中の添加物重量は含んだまま、すなわち投入量で計算する」とこれまでのJAS法の通りとなりまして、私もとりあえず安堵しております。しかし、いくつかの保健所に確認したら、含むというところと含まないというところと分かれており、状況はまだ混沌としています。
またさらなる問題も出ています。複合原材料の名称を頭につけてカッコ内に原材料を並べて書く時、3位以下5%未満の原材料はその他とまとめられます。その5%未満の計算に、消費者庁は「添加物を抜いて計算する」と言っています。まったく。。。せっかく複合原材料の計算に添加物を入れることの愚かさに気づいたのだから、もう少し考えれば同じ問題だとわかるはずなのに、思考の停止というか、応用力のなさというか、事業者に対する思いやりのなさというか、ほとほと呆れてしまいます。
その他3位以下5%未満といえば、水も問題になっています。その5%の計算に水を含めるのか除くのかということです。お客様からも、そうけんくんで計算すると5%未満の計算がおかしいという御指摘を数件もらいました。調べてみると、そうけんくんでは複合原材料の投入量で計算しているため、その複合原材料中に水が含まれている場合水も含めて分母にしています。ところが、これも消費者庁が水を抜けと言っており、ここでも投入量で計算できないことになります。保健所や消費者庁に根拠はと問うと、明確な根拠は示されず、水は表示に出ないから、こんにゃくの原料原産地表示の50%重量を求めるとき水を抜くとQ&Aにあるから、など言われます。
私は、こんにゃくを製造した人が分母に水を入れるとか抜くとかを問題にしているのではありません。複合原材料中に複合原材料が含まれていた場合、その子供の複合原材料から水は抜けないだろう、と言っているのです。例えば鶏唐揚げがあって、鶏肉70g、小麦粉10g、醤油10g、みりん10g、酒10g、この仮のレシピから、醤油、みりん、酒の水をどうやって抜くのですか? いまの消費者庁の理屈からするとこれら液体調味料から水分を抜いて固形分を分母にしてその割合で計算しろと言っているのです。
じつはこの問題に関して複数の事業者の方とディスカッションをして私なりには結論に達しています。もともと複合原材料に入っている水や添加物を計算で抜くことはできない。投入量で計算する。しかし、自分で製造時に加えた水や添加物なら抜くことができる。つまり、含有と添加の違いです。
こんにゃく粉に水を自ら加えたこんにゃく製造業者は、こんにゃく粉(水を除いた原材料)に対する割合で計算することになります。しかし、こんにゃくを買ってきて煮物を作ってるお惣菜業者は、こんにゃくや醤油に含まれる水分を抜くのはナンセンス以外の何ものでもありません。このように元々含有している場合は複合原材料の投入量で計算すればいいのです。複合原材料から添加物を抜くのも水を抜くのも、結局は同じことを言ってただけなのです。現象面から捉えると、このケースは、この場合は・・・、と膨大なケースを想定し混乱しますが、原則は含有と添加の違い、と言ってしまえば、意外に単純な結論となります。もっとも自社購買か他社購買か、子会社製造なのか、協力企業製造なのか、一部製造業務委託なのか、など難しい問題があるのも事実で、そう簡単に行かないこともわかっています。だが一個一個原則に戻って解決していかないと、枝葉の議論に巻き込まれ日本の食品産業全体に無駄なコストがかかります。計算方法の問題はこれからも注視して対応して参ります。
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