醒めよ迷いの夢さめよ
新年明けましておめでとうございます。今年も飛ばして参りますので、そうけんくんチーム一同どうぞよろしくお願いいたします。
最近新しいお客様が増えてきて「薄陽色の表示ってどういう意味ですか?」と問われることも度々です。第一回に「曇っていてグレーで先が見えない。だけど空を見上げると薄陽が差してきてる。この先も捨てたもんじゃない。というのが表示の世界」という造語を作り書き始めました。
今年は学校を出てちょうど30年になります。卒業直後に食品メーカーに勤め、当時何にも分からないなか勉強せねばと焦ってばかりいました。文献を読んでもそもそもの意味もわからないし、頭にも全く入りません。同僚や先輩の会話について行けず、自分の無能さにほとほと嫌になり、自分は食品メーカーの研究員に向いていない、人生間違ったかと嘆いていました。しかしひょんなことから学校で再度勉強する機会が与えられ、世界でも最高の学問と研究に触れることが出来、寝食忘れ没頭しました。戻って来た時、数年間のブランクがあったものの同僚や先輩の話にも瞬時について行け、結局、食品の専門性を高めるには、食品に関係ないことも含めて知識全体のレベルを上げる必要があったのだ悟りました。
最近、品質管理部門の若い方と話すと「表示が難しい」「表示の学校あれば絶対行きます」なんてよく言われます。私も若い頃腹わたをかきむしりたくなるような苦悩や迷いばかりだったのでよく分かります。でも私の時には「誰でも経験する迷いの夢。30年後にはその迷いの夢も醒めますよ」と言ってくれた先輩は一人もいませんでした。だから自分で気づくのに30年もかかってしまったのです。昔の職人さんなら習わずに盗んで覚えよと突き放すのでしょうが、それは全くの時間の無駄だと思います。先人が会得したことを分かりやすく伝え、後輩にはさらに高見の境地に達してもらった方がどれだけ人類のためかわかりません。
ただ危惧していることもあります。原理原則、理想や夢、苦悩や迷い、挫折を伝えないで表層的な食品表示や食品の知識を知ったかぶりで教えている人があまりにも多いことです。消費者庁、農水省、民間のセミナー講師のみならず、そうけんくんサポートチームの回答も時々「表層的だな」と私が顔をしかめることがあります。みんなそれぞれ一所懸命なのですが、過去に先人が苦悩したことを全く考慮しないから、また揉めることから始まります。
一つ例をあげると、最近問題になっている製造所固有記号が異なる複数の食品を詰め合わせた時、外装表示に製造所固有記号をどう書けば良いか?という疑義照会は実は昭和36年に出ていて、「実情にそわない面もあると思われるので、この場合の化粧箱の標示に限り、販売者の所在地を管轄する都道府県において事情止むを得ないと判断したものについては、製造所固有の記号の標示は省略しても差し支えない」となってます。ところが今の消費者庁は何と言ってるか。全ての食品の表示を外装にも残らず書け、と。表示としてそぐわないとか、都道府県の判断に任せるとか、そのような裁量は一切なく過去の事情も考慮されることなく、『勝手に』決められてます。そもそも事故が発生した時に製造所が明らかになるように改正されたのだから、どこかに書いてあれば十分なはずです。個装にもあるのに外装にも全て書くなど無駄の極致です。うちの若い者とこの話をした時、「え!50年以上も前から同じことで揉めていたんですか!」と呆れるというより感動してました。
迷いの夢は50年前も一緒。それを知って業務に携わるのとそうでないとでは雲泥の差があります。残された時間もあとわずかですので、これから表示塾で全て伝えてまいります。次回は2月16日、事務局は原則1社1名と堅いこと言ってますが、勉強する意欲のある方のご参加は拒みません。迷いがある方、どうぞお集まりください。
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